南国ファーム出張レポート

 

422日より三日間、CANDLE所有の南国ファームへ出張してきました。

それに伴いまして三日間、店頭はお休みをいただきましてご迷惑をおかけしました。

 

ここで「南国ファームとは何ぞや?」という新規のお客さまのために、改めて当ファームについて説明しておきます。常連のお客さまは読み飛ばしてください。

 

南国ファームとは、南西諸島の某所に設立しましたCANDLEのブリーディングファームで、延べ500坪の広さの土地を用意し、カメレオンをはじめとした様々な爬虫類やエサ昆虫などのブリードを行う施設です。

 

赤道を挟んでカメレオンの故郷であるマダガスカルとほぼ同緯度に位置し、その恵まれた気候と大自然の恩恵を十二分に受けてカメレオンたちを育成しています。

現地では当社のスタッフが在住し、生体の管理と同時にファーム全体の管理を行っています。

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約半年ぶりに訪れた南国ファーム、相変わらず現地の気候は南国特有の高湿度を保ち、トロピカルな南国の香りが心地よく体を駆け抜けていきました。

 

現在のファームは、室内飼育スペースと屋外飼育スペースを用意していますが、現地の気候を肌で掴んでから屋外飼育をスタートする予定ですので、今はまだ屋内飼育場にて飼育しています。

「南国なんだからずっと外でいいんじゃないの!?」と思われるかも知れませんが、緯度はマダガスカルと同じでも、こちらは『離島』、マダガスカルは『大陸』です。

島の大きさはもちろん、諸々の条件も変わってきますので、手放しにいきなり屋外飼育をスタートするわけにはいきません。

個人的な見解ですが、パンサーカメレオンのノシミチオに代表されるように、離島原産のパンサーカメレオンが非常に貪欲で環境耐性もあり、飼育しやすいように感じるのは、離島ならではの寒暖や気候の差が激しく、それに適応しているから、飼育下での適応能力も高いのではないかと感じました。南国の気候はただそこにいるだけで、いくつもの飼育のヒントを与えてくれます。

 

 

 

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気を取り直して屋内飼育場です。

今は一括管理をするために飼育棟の一番小さい部屋にまとめて管理をしていますが、ゆくゆくは大部屋(だいたいですが25メートルプールくらい)で種親候補を飼育するつもりです。

設備としては、屋内でも井戸水から直接給水が可能ですので、大部屋に移りますとタイマーで室内に雨を降らせることが可能です。

 

 

「室内で傘をさしながらカメレオンたちの世話をする」

 

 

そんな光景も見られると思います。

 

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 気が付けばあまりカメレオンたちの写真を撮っていませんでしたが(汗)

南国の気候で育成しているカメレオンたちですが、驚いたのはパンサーカメレオンの状態の良さです。

 

さすが現地と同じような気候で育成しているだけあって、どの子も肌にハリがあり、筋肉質でがっしりとしています。

メスは体重が軽く70gを超え、小さかったメスたちも生き生きと、のびのびと育っています。

カメレオンたちは今はファームの中では一番小さなケージ(60×60×100㎝ほど)で育成していますが、やはり大自然が大きな力を貸してくれる南国ファームは、カメレオンたちの育ち方も違います。

産卵後、画像で確認していたやせ気味になっていた子も、しっかりと立ち上げり次の産卵に備えていました。

内地と決定的に違うのはやはり湿度、現地では滞在していた時間帯の気温が27度、湿度は最低で80%ほどでした。

給水を行ったりスコールが降ったときには湿度は100%まで上昇し、カメレオンたちの肌を潤します。

 

 

 

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そして、南国ファームと言えば、毎日全国のお客さまのもとへ発送させて頂いております南国の桑の葉。

お届け時には摘んだ葉っぱの形になっていますが、現地ではこのように茂っています。

 

 

「そのまんまジャングル」

 

 

そんな環境の中に南国ファームはあります。

 

 

 

それでは、ファームの周りを探索した時の画像がありますので、そちらもご紹介させていただきます。

 

 

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うっそうと茂ったジャングル、その中を探索しているとたくさんの生き物たちに出会うことができます。

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こちらはふと目をやると佇んでいたナナフシ。

 

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オオジョロウグモにも出会えます。

 

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さらに森林の奥地に足を進めます、天候は雨。雨のジャングルを歩き回ること数時間、一生分くらい蚊に刺されながら(汗)、ようやく目的の生物に出会うことができました。

 

 

 

「見つけたーーぁぁぁ!!!」

 

と声を上げたのは、同行していたイベント時のスタッフ、通称「シルクの人」。

 

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巨大なクワズイモの葉の上にいたのが、透明感のある美しい体色があまりにも美しいアオミオカタニシ。個人的にミドリデンデンと呼んでいます。

店頭でもご紹介させていただきましたアオミオカタニシですが、採取は本当に大変で、結局三人がかりで丸二日ジャングルを歩き回り、やっと5頭見つけることができました。

 

 

 

 

 

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ジャングルを歩いていると、セマルハコガメにも出会えました。

これからが繁殖シーズン、メスを探して歩き回っているのでしょう。天然記念物ですので、当然触れることはできません。

 

 

 

 

 

そして、南国ファーム周辺の海は、豊かな海流と南国の日差しが、美しいサンゴ礁を育む世界でも有数の美しさを誇る海でもあります。

今回は天候が怪しかったので本来の透明度ではありませんでしたが、少しだけ海中を散策してみました。

 

 

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海岸線沿いでは、オカヤドカリの大群にも出会えました。カラフルなヤドカリたちは、ある一定の場所にたくさん群がっていることがわかり、そこを歩くと回り一面がヤドカリだらけです。

 

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よーく見るとミノカサゴが隠れているのですがわかりますか?

 

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こちらもミノカサゴ。

 

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今回は透明度はそこまで高くありませんでしたが、海中はこんな感じです。

カラフルな熱帯魚たちの群れに囲まれ、今回の出張で唯一南国を満喫した瞬間かも知れません(笑)

 

 

 

 

 

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ファームでは、いくつかのペアリングも行いました。

今回の出張の大きな目的の一つに、現地スタッフへのブリーディング技術の伝承があり、カメレオンやフトアゴ、コオロギに至るまで、発情の合図や交配のタイミング、孵化状況から育成まで、普段の電話ではなかなか伝えられないことを事細かに伝えてきました。

 

 

 

 

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イベントで好評だったハウスゲッコーたちもたくさんストックしています。

南国ファーム産のゲッコーの中には数種類混ざっていますので、オンナダケやオガサワラなんかを狙ってチョイスするのも良いと思います。

 

 

 

 

 

 

こうして三日間、ノンストップでバタバタと時間は過ぎていき、大変有意義な時間を過ごすことができました。

 

 

 

 

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これは夕暮れ時の現地スタッフを隠し撮りしたものです。関西の人間なのにすっかり現地の人になっていました(笑)

 

 

 

 

 

 

 

ファーム全体としては、まだまだ数パーセントしか活用できていないのが現状ですが、焦らずじっくりと、こだわりの血統を殖やしていきます。

特にパンサーカメレオンについては、現地の気候が本当に適しているので、さほど苦労なく育てることが可能です。

まだまだ時間は掛かりますが、数年後にはかなり面白い展開になっていることでしょう。

 

 

 

以上、今回のファーム出張のレポートでした。

 

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