煮詰めていますマダガスカル便!と南国ファーム便り

先日ご意見をお願いしておりました今期のマダガスカル便の輸入アイテムについて、日々話し込みを行っています。

 

パンサーカメレオンの産地のリクエストも、お客さまから頂きましたものはすべて現地に届けています。

カメレオン以外では、ヘビやトカゲ、カマキリやダンゴムシに至るまで、とりあえず言うだけは言ってみました。

 

 

ここで一番大切なのはやはりパンサーカメレオンのローカリティの確実さ。

 

 

「お店に間違いのないワイルド個体がしっかりと並んでいる」これは一見当たり前かと思われますが、実はいくつもの奇跡が重なって現地から店頭に到着しているのです。

きっちりとした性格の日本人の感覚からすれば想像しにくいかと思いますが、国内の常識が必ずしも世界で通用するわけではありません。

「代金を支払えば品物を送ってくる」こんな当たり前のことが当たり前でない世界で、どれだけ交渉して望んだものを的確に伝え、届けさせるかが輸入という大業なのです。

 

 

 

 

昨今、国内でもマダガスカル便がよく入るようになってきましたが、逆に言えば現地での輸出業者も増えているということ。マーケットが広くなればその分流通も増え、国内への入りやすくなるのはいいことなのですが、当然現地は効率よく輸出するためにカメレオンの集積所を作り、そこに捕獲してきたパンサーを一時ストックします。あくまでもここからは個人的な予想ですが、その段階でメスのローカリティが混ざってしまうのだと考えています。

 

当店ではマダガスカル便の輸入は、全世界に太いパイプを持つ最高の輸入屋さんと二人三脚で行います。

タンザニア便やアメリカのパンサーなどは自社輸入するのに、なぜマダガスカル便はそのようにしているのか、その理由はまさにそこにあります。

 

 

いつもお願いしているシッパーさんは、こちらから産地のリクエストを上げて、数量が決まってからその産地に捕獲に走ります。集積所のパンサーを集めることはしません。

だからいつも間違いのない(特にメス)を入荷し、ご案内することができているのです。これは自社でシッパーを探し、輸入していたら実現していないと思います。

昨シーズンのローカリティミックスの現状は国内のローカリティの純度に大きく影響すると危機感を覚えており、国内CB個体の取り扱いについても慎重になるべきかと思案しています。

同じような現状は日本国内だけに起こっているわけではなく、CANDLEと非常に親交の深いアメリカ在住の世界的カメレオンブリーダー、Amazing Blue Reptilesさまとお話している中でも、まったく同じことを仰っていました。

 

驚いたのが、昨シーズン自分が見たノシミチオ、ノシファリー、アンカラミーの中にたくさんのアンバンジャのメスが混ざっていたこと。

マダガスカルの現状を後から聞いても、やはりアンバンジャのメスが集積所には多いと聞いたこと、そしてAmazing Blue Reptilesさまが導入された「アンビローブ」の持ち腹個体から産まれたベビーを複数育成したところ、ほとんどが疑いようのないアンバンジャに育ったという事実があり、遠い日本とアメリカでワイルド個体の流通の現状、混在していたローカリティがアンバンジャということまでもがリンクしました。

これは全世界に向けて輸出されているパンサーカメレオンのメス個体が、高い確率で同様のローカルミックスが起こっていることを示唆しています。

 

Amazing Blue Reptilesさまのところではお客さまに間違いのないクリーンなローカリティの個体を提供するためのこだわりとして、ワイルドのメスは種親個体として使用することはなく、すべて自分のところで繁殖させた個体を種親として使用するそうです。

 

 

それだけローカルミックスが横行する現状だからこそ、手間が掛かってコストが掛かっても、間違いのないローカリティの輸入が望まれています。

「日本の常識世界の非常識」とはよく言ったもので、住んでいる地域、国が違えば文化や常識、物事も捉え方も異なります。いくらシッパーとメールのやりとりをしてこちらの要望を伝えても、それがそのまま相手に伝わると言うことはまずありません。向こうはローカリティの間違いという概念がそもそもないので、同じメスなのになぜそんなにこだわるのか??という感じです。

 

 

だからこそ、世界的な実績と信頼を持つ輸入屋さんとタッグを組むことが必要なのです。長年かけて築き上げた信頼関係と取引実績が、現地の方の足を集積場ではなく捕獲する産地に向かわせます。

到着したローカリティは当方がチェックし、場合によっては持ち腹ベビーを育成してその純度を調べ、現地にフィードバックします。

その甲斐あって、ここ数年はローカリティについては本当に慎重になってくれており、持ち腹ベビーを育成しても、ちゃんとその産地の個体に育っています。

もちろん中には、明らかに人為的なミスによって違う産地が入っていることもたまにはありますが、それは人が行う仕事ということで……(汗)

 

 

 

 

 

当店では当店なりの経験と現地の情報がリアルタイムに入ってくる現地の状況、そして複数回にわたる現地便の自社輸入から、「オーダーしたものがちゃんと入ってくる現地便」なんてありえないと断言できます(よくないことですが・笑)。

お金を払ったのに商品が届かない、なんてことも珍しくない世界です。輸入に関るとそのようなことが日常的に起こり得ます。

そういった現状から、オーダーしたものがある程度ちゃんとしてマダガスカルから日本に届くと言うのは、ちょっとした奇跡なのです。そう考えるとパンサーのローカリティが間違っていることくらいは小さなことなのかも知れません。しかしながらそこは専門店としてお客さまに間違いのない個体をお渡しすることに労力を惜しむわけにはいきません。

 

 

 

 

 

話は脱線しましたが、この大きな輸入に関わる多くの人の努力と苦労、現地のシッパーさんの意識の向上と誠意が詰まったマダガスカル便を準備中です。今回は他のカメレオンたちも凄い種類が揃いそうです。価格面との兼ね合いもあるので一概には言えませんが、今シーズンは賑やかになりそうです。

 

まだまだ現地にリクエストをすることができますので、繰り返しますが「言ってみるだけならタダ」です(笑)。通る通らないは別としてご希望がありましたらお気軽にお申し付けください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

話は変わって南国ファームより画像が届いています。

 

今回はメスの仕上がり具合をチェックです。

 

 

 

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南国の気候は、さほど苦労することなくメスをこのような状態に仕上げてくれます。

クオリティ重視なので種親候補をなかなか増やせていませんが、そろそろ本腰入れてパンサーの繁殖にも取り組んでいかねばなりません。

 

 

 

 

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こちらは先日産まれたブルー血統のエボシカメレオン。順調に育っています。

やはり南国の気候が肌に合うのか、成長も早く、今のところ死亡もゼロです。そろそろ次の卵が孵化しそうとのことなので、ファームも忙しくなりそうです。

 

 

他にもファームでは、先日ご紹介しました現地で絶滅が危惧されている種の繁殖にも積極的に取り組んでいます。こちらも順調に採卵が進んでいます。来年にはある程度安定した個体数を維持できるかと思います。

 

 

 

 

 

店頭活動、輸入、そしてファーム事業に大忙しですが、それぞれがとても大切な事柄ですので手を抜くわけにはいきません。

 

当店に関るすべてのお客さまの笑顔につながるよう、今後も全力疾走でがんばってまいりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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