もう何年前になるかわかりませんが、南アフリカからある衝撃的なカメレオンが日本に初お目見えしました。
その名はトランスバールドワーフカメレオン(Bradypodion transvaalense)。その容姿はまさに特徴だらけと言っても過言ではなく、手ごろなサイズ、むっちりとした重量感、何のためにあるのかよくわからないあご先のモジャモジャ、時にブラックカラーを発色する特徴的なカラーリングから大変注目され、当時は湧き上がる気持ちを抑えながら飼育、運よくブリードも行うことができました。
まさにマニアの憧れ中の憧れ、南アのトランスバールの出現は多くのマニアの心を躍らせ、同時にさらにコアなマニアのわずかな期待を抱かせました。
「もしかしたら他の南ア産Bradypodion 属のカメレオンたちもくるかも知れない……」
しかしそんな淡い期待もむなしく、いつしかトランスバールも輸入が難しくなってしまい、国内で飼育されている方もほとんでいなくなってしまいました。
そんな中、いつものCANDLEネットワーク(?)を駆使して世界中に問いかけていたところ、昨年春くらいに驚くべき情報が飛び込んできました。
「ナタールミッドランドドワーフカメレオンを殖やしている人がいる」
まさかまさかと思いつつも徹底的にリサーチ、そして早くも半年以上の月日が流れてしまいましたが、ようやくその存在にたどり着くことができました。
はやる気持ちを抑えながら輸出交渉、もちろん正規輸入にこだわる当店は国際取引規約に則ったサイテスの取得を最重要事項としてアプローチしていきました。
そしてついにその時が現実に……!!
古くから洋書を眺めていつかは本物をこの目で見たいと思っていたマニアの方々、大変お待たせいたしました。
あのナタールミッドランドドワーフカメレオン(Bradypodion thamnobates)がとうとうCANDLEに上陸です!!!!
ただただ感動です。
もちろんトリプルAクラスのレア度を誇るこのカメレオン。今回は驚きのCBアダルトサイズです。このようなウルトラレアなカメレオンをしっかりとブリード、育成してくださった海外のスーパーマニアには本当に頭が下がります。そして大きな声でありがとうと伝えたいです。
カラーは南アカメレオンによく見られるブラックの発色ももちろん、オレンジ、ブルー、エメラルドグリーンなど大変多彩で、モジャモジャ部分はクリアホワイトの発色を見せています。飼い込むうちにさらに美しい発色が見られることでしょう。
まさに幻、生涯かけても現物を見られるかどうかわからないカメレオンが手の届く場所で歩いている、この感動は言葉では表せません。
飼育面についてはトランスバールと同様、アフリカの高山種のような環境ではなく、わりと人家に近い場所にも生息しているとのことで、乾燥気味の場所でも割と平気です。
しかも今回入荷の子たちは即繁殖可能サイズばかり、これはブリードを狙わずにはいられない!!
そんなお客様のために、本種を繁殖させましたブリーダーさまがスペシャルなプレゼントを用意してくださいました。
本種の飼育、繁殖情報が非常に細かく記載されておりますケアシート、こちらをブリーダーさまがつけてくださいました。
そこには本種の飼育のポイントはもちろん、ベビーの育成環境や必要なサプリメント、さらに写真は交尾写真や出産時の写真、ベビーの写真など、他種にも共通するであろう大変貴重な情報が満載です。お求めのお客さまにはこのケアシートをプレゼントさせていただきます。
お店で管理している感じだと、飼育自体は容易なように感じます。
面白いのがその生態、お互いに無関心だったのに太陽光でバスキングさせた瞬間に一気にオスたちがボビングを始め、メスを追い出したのです。過酷な環境に生息しているからこそ、繁殖のスイッチが入ると激しいように感じました。
逆に言うとこれは非常にブリードを狙いやすいということ。世界的にほぼ流通量が皆無な本種を日本のマニアさまが繁殖し、世界に向けて発信してみてはいかがでしょう。
もちろん正真正銘の正規輸入個体ですので、ご希望であればご購入時にサイテスの証明書のコピーをお付けいたします。本種に限らずですが、これからの時代はこのような書類の有無が非常に重要になってくると思います。
この書類がなければ万一サイテスⅠにランクアップしたときにも登録することができませんし、海外に輸出するとなったときにも輸出許可を取得することはできません。
「無意味な事だ」と笑われてしまっても、CANDLEはお客さまの安心と貴重な動物たちの未来のために、書類面でもしっかりとサポートできる体制を整えようと思っています。
話は戻りますがとにかく強烈なインパクトのナタールミッドランドドワーフカメレオン、実はもう一種、さらにさらにレアとされておりますドラケンスバーグドワーフカメレオン(Bradypodion dracomontanum)も極少数ながら到着していますが、メルマガ配信直後に即完売となってしまいました。あえて画像はアップしませんので、運よくゲットされましたお客さまは誰も見たことのないカメレオンを眺めてニヤニヤしてください(笑)一応お引き渡しまでは店頭にいますので、一目見たい方は店頭でご覧になってください。
一年近くを掛けてようやく実現しました今回の輸入。本種の国内へのご紹介は日本のカメレオンの流通事情に大きな一歩を刻むことになるかと思います。そして運よく飼育することができましたお客さまは、今までのカメレオンとは一味もふた味も違う独特の魅力を、どうぞ心行くまで堪能してください。
この幻のカメレオンはCANDLEの店頭で本日よりご覧いただくことができます。遠くても、交通費を掛けてでも絶対に目に焼き付けておきたいカメレオンたちです。無理をしてでも是非お越しください(笑)